2009年10月25日日曜日

大敗

私が中学1年生のとき。
小学生のときのサッカースクールのコーチから、おかしな依頼を受けた。
そのコーチいわく、
「自分の友人のジュニアユースチームが、練習試合を組んでいたが、
人数不足で出来なくなった。変わりに試合に出てくれないか。」
という話だった。
中学生の私たちは、中学の監督の許可も得て、
練習試合をすることになった。
私はキャプテンに、「どこでやるの?」と聞いた。
「川崎だよ。」とキャプテン。
「相手はどういうチーム」と私。
「読売クラブのジュニアユース」とキャプテン。
「え!?」と私は驚いた。
読売クラブは東京Vの前身だ。
その当時の読売クラブは、武田、ラモス、戸塚、都並などがいて、
JFLのトップをいつも、日産と争っていた。
そのチームのジュニアユース。
めちゃくちゃ強いに決まっている。

遠路はるばる川崎に着いた。
試合が始まる。
1分もたたずして、その力の差がわかった。
当時、自分たちが経験した中学サッカーというのは、
パスを回すと取られるので、バックもハーフも
フォワードにロングキックを蹴るだけだった。
しかし、読売クラブジュニアチームは、中央でパスを
ぽんぽんつないで、1対1でもどんどんかわしてくるし、
あっという間にキーパーと1対1になって、
かわされてゴールを決められた。
私は4-3-3の右のフォワードで出たが、
ほとんどボールが来なかった。
読売も監督が見ている手前あってか、手を抜かず、
結果14対0で負けた。

試合後、コーチからコメントがあった。
「お前ら、もう少しやれると思ったのにな。」
自分で試合組んどいて他人事のようである。
全員、電車の中でひどくへこんで帰った。
とても苦い思い出だった。

ここで思い出すドラマがある。
学園ドラマ「スクール・ウォーズ」の1シーン。
高校ラグビー部顧問の滝沢先生が、大会での試合を109対0で負けた後、
ロッカールームで選手たちに言う台詞がある。
そのときの選手たちは、「あ~あ、負けちゃたよ。」
「結局俺たちはそんなもんだよ。」と言っていた。
滝沢先生はしばらく、その選手たちを見ていた後、
涙を流しながら「お前たち、悔しくないのか!」と叫んだ。
うなだれる選手たち。
しばらくして、選手の一人、森田が「悔しいです!」と叫んだ。
他の選手たちも、口々に「俺も悔しいです!」と叫んだ。
選手も監督も全員涙のシーンだった。

サッカーが好きでたまらず、一生懸命練習して、
長く続ける人には必ず、格上と対戦する時が来る。
そして、大敗するときが来たとき、
その負けを精神的にどう受け止めるかは重要だと思う。
スクール・ウォーズを見ていたとき、どうせフィクションだろうと
思っていたが、友人から「あれは実話だ。」と聞かされたときは
大変ショックだった。

大敗したとき、本音を言えば、めちゃくちゃ悔しいのだ。
しかし、泣き叫ぶなどかっこ悪くて出来ないし、建前のところで
「しょうがない。」となってしまう。
中学生のときの私は残念ながら、「しょうがない。」
となってしまった。

重要なことは、泣く泣かないの形ではなく、
「めちゃくちゃ悔しかった!」という本音を忘れないことだ。

大敗が大火傷になるか、カンフル剤になるかは、選手の受け止め方に
かかってくる。


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1 件のコメント:

  1. こんにちは♪
    ブログの訪問&コメントありがとうございます(^^)
    子供達も何年後かにブログの写真を見て懐かしく思ってくれたらなぁ…と思いながらマイペースに続けてるブログです。また良かったら遊びに来て下さいね♪

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